home サイトマップ
現在の位置: TOPページ > 研究紹介 > 2009年度の研究紹介 修士課程(EELS班)
更新日:2009-11-20
修士EELS班
文責 表面物理学研究室修士1年 松井一記

私たちのグループではHREELS(高分解能エネルギー損失分光法)による実験を行っています。
HREELSは低速の電子線を試料表面に入射し、非弾性散乱された電子を分光・検出することにより、表面状態の分析をする手法です。プローブとして電子を用いていることから、表面における分子振動、フォノン、プラズモンなどの振動励起や、内殻電子の励起や価電子のバンド間遷移などの観測も可能となっています。図1はHREELSの写真です。水色の板は試料を表しています。電子線は黄色の矢印進み試料で散乱されます。散乱された電子は分光器によって観測されます。

図1:HREELSの装置概観とよる電子散乱の模式図

現在H:Si(110)-(1×1)表面の表面フォノン測定を行っています。この表面は正孔の自由度が高いなどの理由からSi(111),Si(100)表面に比べて産業上注目を浴びていますが、エッチングや酸化膜の形成などの条件が明らかではありませんでした。そこで私たちはフォノン測定を通じてこれまで難しかった、化学処理による水素終端表面の作製と、その表面の性質を明らかすることを目的として研究を行っています。


図2:HREELSによるH:Si(110)-(1×1)表面の表面フォノンの測定データ
Copyright © 1996-2019 表面物理研究室 All Rights Reserved.