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更新日:2012-12-25
4年生の実験
文責学部4年松田 卓也

みなさんは「銀(Ag)」を知っているでしょうか?よくスプーンやアクセサリーに使われているピカピカ銀色に光る金属です。しかし実はその性質は銀の「塊(バルク)」特有の性質であって、銀の「薄い膜」ではピカピカ光らないし、銀色でもないのです!これって不思議じゃありませんか?そこで私たちはバルクの時とは違うAg薄膜の物性を、分光光度計とAFMという装置を使って明らかにしようと実験しています。 Ag薄膜を調べるには、まずはそれを作ることから始めるのですが、薄膜は「真空蒸着法」という方法を使って作ります。この方法では、原子が気体分子に1度もぶつからずに飛んでいけるほど高い真空度の中でAg原子を蒸発させることにより、銀原子を石英ガラスの基盤に薄く散布するというものです。真空蒸着法はとても高い真空度を必要とするので、いろんな厚さの薄膜を作るために何度も蒸着するうちに“真空装置に対する感覚”が養われます。

□光吸収
AFMで調べているAg薄膜、ナノスケールで見るのをやめて「自分の目」で見てみると下の写真のようになります。見てわかるように、4枚とも同じ「銀」なのに、色が黄色、オレンジ、紫などバラバラなのです!この「銀色じゃない銀」の光学的性質を調べるために、私たちは光の透過スペクトルを分光光度計を使って測定してAg薄膜の物性や成長過程を調べています。


Ag薄膜の写真(膜厚は右から50Å、100Å、150Å、200Å)

□AFM
AFMとはAtomic Force Microscopyの略で、原子間力を利用してナノメートルスケールのものを見ることができる「原子間力顕微鏡」です。下の図が実際にとれたAg薄膜のAFMの画像ですが、コロコロとして見える丸いものがAgクラスターです。私たちはこれを各膜厚で測定して、膜厚が増えるにしたがってクラスターの形や大きさはどうなるのか、という事を調べています。


膜厚150ÅのAFM画像(500nm×500nm)
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