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2007年度版 |
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文責 表面物理学研究室修士1年 泉水一紘 |
表面とは? 大学の学部までの物理だとあまりなじみの無い表面。 なぜ私達は表面を研究しているのか?表面とはどういう領域か? まずは表面を理解する前に、いままで物理学で取り扱ってきた系「バルク」について説明しましょう。バルクとは塊を表す単語であり、通常私達が扱えるマクロスケールの物体を示します。温度や伝導特性、磁性など今までの物理で出てきた状態量は全てマクロスケールでしか測れませんでした。 [a] つまり今までわかっているのは、表面の原子の下にいるバルクの中にいる原子の性質でした。 例として、ここに一辺の長さ原子1億個分の立方体の物体があるとしましょう。非常に巨大な物体に思えるかもしれませんが、原子一個の直径を1Å(水素原子一個ほど)とすると、1cmになります。 概算ですが、このうちバルクの原子数は、一億の3乗個。表面の原子数は、6×一億の2乗個。なので
(表面の原子数)/(バルクの原子数)=6 / 一億
と、非常に小さい数になってしまうために、いままではあまり表面の性質について重要視される事はありませんでした。[a] しかし、この立方体をどんどん小さくしていったらどうなるでしょうか。一辺が原子一万個分だったら?千個分だったら?百個分だったら?… 当然、表面の原子の影響が大きくなっていき、それに伴い表面における物理現象も重要になってきます。 私たちの研究室ではそういった特性をふまえ、表面における化学反応の実空間測定や、表面付近での電子特性、原子数個程度の極めて初期の結晶成長などを様々な実験装置を用いて研究しています。 専門的なことに関しては、研究紹介の項に記載していますので、興味を持っていただけたらぜひそちらも参照してください。 |